最近、音楽の世界でも、テレビや映画の世界でも、焼き直しをしている作品をよく見ます。音楽では、昔ヒットした曲のカバー、バンドの再結成など。そしてドラマで言えば、昔ヒットした番組や人気漫画を原作にしたものなど、その裾野は多様化してきているとも言えます。世相的に、昔への懐古な情が生活者の心理にあるのは分かります。また企業も、比較的容易に稼げることは分かります。

しかし、本当にこんなことでいいのでしょうか。クリエティビティの欠如にしか私は見えません。例えば昔の作品でヒットしたものであれば、ある程度はリバイバルにしてもヒットが見込めます。そしてヒットすれば、ネットやDVD、テレビと映画の連動、関連グッズの販売など、ワンテーマで複数の収益源に展開して、広く長く稼ぎ続けられます。

しかしながら、これをマーケティングの勝利とするなら、クリエイティブの面では敗北と捉えて製作者側は安易な手法に反省をすべきでしょう。なぜなら、焼き直し的ビジネスは、そう何度も繰り返せないからです。一般企業のビジネスと同様で、常に新しいものを生み出していかなければいけないはずです。

今の世の中には、安易に稼ぐノウハウを指南するメディアがあふれていますが、結局、メディア側そのものが安易な事業スタイルに頼って、ぬるま湯につかりきっているわけですね。ヒットが生まれても、面白みがない。これでは、誰が文化を進歩させ、誰が文化を築いていくのでしょうか。我々は少なくとも、安易な焼き直し的ビジネスに、頼らない企業作りを行いたいものです。